ドイツの新規コロナ感染者がまた急激に増えているらしい・・・
今日11月7日時点で3万4千人いるという。
ドイツにおける新型コロナウィルスの感染者数の推移 – Bing
身近にはコロナワクチンを接種した人ばかりだし日常で大きな変化はないけど、3万人超えるのはドイツで本格的にパンデミックになった時を思い出させられるので、これからのことを考えると楽観視できない状況だ。
日本での状況は幸運にも類を見ない状況で新規感染者が縮小した。実家が関東にあるのでこればかりはほっとしている。1,2か月前だったら両国さほど変わらない状況だったのでなおさらだ。
感染者が多くとも、ドイツはそれほど深刻ではないので今の現状を書いていこうと思う。
冬に向けて感染者が増大
最近コロナ関係のニュースを見ていなかった。理由は、ドイツはコロナワクチンが十分いきわたっているのと、周りにワクチン未接種者がいなかったこと、自分自身もすでにコロナワクチンを接種し終えていたからだ。
しかしここ数日で周りから、またドイツ国内で感染者が爆発的に増加しているということを聞いたのでニュースを見てみると、パンデミック末期と同じくらい新規感染者数が爆増している。しかも今も増え続けているありさまだ。
個人的に困ることとといえば、ドイツがこのような状態だとなかなか日本に帰国しづらいことだ。
ドイツから日本に入国するとき、10日間ホテルでの隔離あるいは自宅での待機を余儀なくされる。有休を丸々とったとしても10日間何もできないのはいただけない。
あとは旅行制限だろう。今ではホテルの予約もできるようになってるし長距離移動も何の問題もないが、ドイツ全体で感染者が拡大していけば、いくらワクチンを接種しているからといって今まで通り制限なく自由に、というわけにはいかなくなる恐れがある。
日常の変化
上記でも少し書いた通り、今現在は感染拡大による変化は全くない。カフェは毎日繁盛しているしレストランも週末は予約が必要なくらい人であふれている。
コロナに関して全く自由だ!というわけではもちろんなく、店内に居座る場合はコロナワクチン接種済みかどうかの書類を提示しなければならず、できない場合は一切店内にいることができない。10月からは誰でも無料で受けられていたコロナ簡易テストも有料になった。1回10ユーロ(約1200円)ほど。
仕事は在宅ワークだったところも、今まで通り出社しているところもあれば引き続き在宅ワークをするところもある。
コロナワクチン未接種者にはとても窮屈ではあるが、その効果が今までしっかりと繁栄していたのだろう。8月に大幅に拡大した新規感染者だったが9月には減少し安定を見せている。
コロナウイルス感染者数の推移
しかしなぜまた、新規感染者数がここまで爆発的に増えてしまったのか。
コロナウイルスの感染者数が拡大する時期に着目すると、冬場の感染拡大が顕著に見られる。
ドイツにおける新型コロナウイルスの感染状況・グラフ* (reuters.com)
グラフを見てみると、2020年、2021年ともに10月から感染が爆発的に増える傾向がある。逆に6月から8月は減少し感染拡大が縮小している。今年は11月6日時点で去年の新規感染者のピークを上回った。
ドイツに住んでいる視点で見てみると、感染人数の増減がなぜこのように変わるのかなんとなく見えてくる。あくまで個人的に感じた見解なので、なるほどこうゆう見方もあるのか、という程度で読んでみてほしい。
新規感染者数は夏場は減少、冬場は増加の理由
コロナウイルスが猛威を奮ってから2年しか経っていないので、新規感染の増加時期を比較するには時期尚早かもしれない。しかし明らかに時期によっての増減がみられる。
夏場にコロナ新規感染者が少ない理由
1.ウイルスが長く生きられない
これは風邪と同じように、夏場の湿った空気はウイルスにとって生き延びづらい環境であるということだ。ドイツも日本ほどではないが、夏場は雨が良く降るし空気が乾燥している訳ではない。また、風邪やインフルエンザウイルスといった他のウイルスにとっても生きづらい環境なので、免疫が低下するリスクが少ないので感染しづらいという理由だ。
2.室内にいる時間が少ない
これはドイツにいて一番感じることでもある。
冬場の日照時間が極端に少なくなるドイツでは、夏場の間に日光を浴びておきたいと考える人が多いので基本外で過ごす人がほとんどだ。レストランやカフェ、バーはテラス席が人気でにぎわっている反面、店内はガラっとしていることが多い。
また、よく換気をする国民性というのもすごく感じられる。締め切った部屋だと誰でも窓を開けるし、空気に敏感な人が多い。
3.夏季休暇
ドイツ人は、『休暇のために仕事をする』ということを聞いたことがあるのではないだろうか。
これはその通りで、7月~8月までは長期休暇を取るドイツ人がほとんどである。学校が休暇に入ると家族で旅行に出かけるのだ。これは夏場にコロナ新規感染者が減るという理由ではないが、8月に休暇から戻ってきた人が感染しているリスクが高まっていることから、7月~8月は感染者が少なく、8月末からコロナ感染者が増加傾向にあるのではないかと考えられる。
冬場にコロナ新規感染者が多い理由
1.ウイルスが体内に入り込みやすい
夏場にウイルスが長く生きられない環境であるということは、冬場は逆にウイルスにとって生きやすい環境であるということだ。
前述したように、ウイルスは湿った空気では長く生きられないので、風邪やインフルエンザのように夏場に猛威を奮うリスクは少ない。ただし冬場は違う。様々なウイルスから体を守るために免疫が働いていることで、新たなウイルスに対しての免疫が低下してしまう。そこへコロナウイルスが感染しやすい状況が生まれているのだ。
2020年の10月から1月が最も新規コロナ感染者が多く、危機的な状況となった事例がある。
2.室内にいる時間が長い
10月に入ると、ドイツの気候は一気に冬に向かっていく。
日照時間はどんどん短くなり10月31日にサマータイムが終わり、17時で外はすでに真っ暗になる。
テラス席の数が減少し、気温の低下から室内への需要が増えてくるので、空気が充満し感染率が高くなる恐れがある。店内飲食ではもちろんマスクをしないので感染リスクが一気に高まるだろう。
また、家にいる時間も多くなることから、家族間での感染、自宅でのパーティーで集団感染、寒さによる換気の回数低下など、リスクが高まる一方である。
3.クリスマス休暇
2020年の年末、ドイツのメルケル元首相が歴史的な演説をしたのも記憶に新しいでしょう。
『今年のクリスマス休暇が祖父母との最後のクリスマスにはしてはいけない』
高齢者がコロナウイルスに感染のは死に直結するほど危険だ。クリスマスはドイツでは一番大切な行事であり、多くの人が家族を訪問し、一緒に過ごすのだ。
去年はメルケル元首相がこれについて言及し、声を荒げて忠告した。
このような演説があったが、多くの人が実家へ帰り家族とクリスマスを過ごした結果、やはり感染拡大につながったのではないかと推測できる。これは重要な文化であるし仕方のないことだ。私が同じ立場であればお正月に家族のもとへ帰ってはいけないと言われても、自分の家族は平気だし、そんなことは起きない、と実家へ帰ってしまうと思う。
今後起こりうること
冬場にかけて感染は拡大していくだろう。
しかし、ワクチン接種率が70%近いドイツで、新たな感染者のほとんどがワクチン未接種者ということなので日常生活にあまり変化はないと思われる。
今月ミュンヘンへ旅行を計画しているので急な旅行規制が起こらないことを切に願うばかりだ。
コメント